「あーこらこら、お前はさっきもう食べただろ。これはあっちの分。ヘタは苦いからやめときな、食べない方がいい。ヌメラ、これはドラメシヤ用の菜っ葉だからダメだって、おい!…お前は、あれ、さっきのとは違う坊やか?もー」


大きな背中を丸めて、沢山の木の実の入った大皿から寄ってくるドラメシヤ達に、それぞれのごはんを配るキバナ。彼が今面倒を見ているらしい生まれたてのヌメラと一緒に、若干たかられながら頑張っている。一回ごはんやりを手伝ってみたいと言われたままにお任せしてみたけれど、楽しめてはいるようでよかった。

不思議な人だ。彼と知り合ってから、それなりに短くない時間が過ぎたと思う。あまり人と触れ合ってこなかった私にとって、彼の話す世界は、夢中になるには十分な広さと眩しさだった。

このあたりで助けた人々が誰一人知らなかった自分の言葉を解せるのは、大学というところで歴史や文化を勉強していたかららしい。今ではポケモントレーナーの中でも教育の立場に当たる人で、兼、この地方で一番強いトレーナーになれるよう日々努力しているらしい。

初日に彼と一緒に此処を訪れた目上の同僚以外にも、何人か同じ役職の人たちがいて、それぞれがそれぞれの街を守っているのだという。彼が話す沢山の人の営みと情景が他にいくつもあるのがにわかには信じられないけれど、せいぜい塔とその周辺しか世界を知らない私を大いに夢想させた。

そんなキバナは、話した内容の通り忙しそうな生活の合間を縫って、未だにこの塔を訪ねてくる。彼の街のものだという食べ物や小さな贈り物を持って。塔の中には何処にもないそれらに、私とドラパルトは興味津々だった。そして表情をくるくると変えながら、沢山のおはなしをしてくれる。にぱっと破顔したり、鷹揚に微笑んだり、話以上にそれが気になってしまうことも最近はあったりする。彼のパートナーであるフライゴンも、彼と同じように穏やかに笑いながら、よくドラメシヤ達にかまってくれる。


キバナがポケモントレーナーだと聞いた時、私とドラパルトの間で長いこと結論が出せていなかった、ドラメシヤ達の行く先を相談できるのではないか、と考えた。手紙伝手に聞いてみれば、早速彼の仲間たちと一緒に、街でも居場所ができないか考えてくれているらしい。卵から生まれて間もないこの子たちにとって、野生ポケモンのひしめく野原に追いやることはとてもできないから、感謝しかない。

最近ではドラメシヤ達のために毎日大量の木の実を調達しなければならない私を見かねて、街で売っているポケモン用のフードを譲ってくれた。ドラゴンの幼生が好む味で栄養価が高く、ポケモンの育成に慣れている彼のお気に入りらしい。それを何割か混ぜて木の実と一緒にあげられるようになったので、日中に外を飛び回る時間がだいぶ減った。

沢山の心遣いに、こちらから返せるものが何もなくて心苦しいが、言葉の勉強代とおとぎ話への登場体験でお釣りがくる、と笑っていた。私の言葉は喋れる人が少ないらしく理由としては分からなくもないが、おとぎ話?の事はよく分からない。


「これで終わったかな。何匹かダブって食べてた気もするが…あんま見分けつかなかった、わるい」

「ドラパルトも私も分からないことあるから、気にしないで。ありがとうキバナ、とても助かる」

「毎日これやるのは大変だよなあ。皆大人しく食べてる?」

「ちょっと前まではみんな同じもの、食べてくれていたけど、最近好き嫌いがあるみたい。夜は木の実の種類増やそうと思ってる」

「やっぱり少しずつレベル上がってんな…ポケじゃらしは一日一回にしといたほうがいいかも」

「ふふ、可愛くてついやっちゃうの」

「分かる。オレも疲れてると無心でやっちゃう」


ごはんが終わったらお昼寝の時間、と相場が決まっているドラメシヤ達。木の実まみれの私とキバナを横目で見物していたドラパルトの所に、一目散に集まってわいわいじゃれつく。

沢山の子供たちに囲まれて嬉しそうに目を細めるドラパルトを見るのが私は好きで、一人ひとりを大事そうに口で加えて大きな籠の中に詰めていく仕草も、寝相が悪くてそのうちみんなして部屋中に散らばってしまうのも好きだった。

今日もそれが見られるかと期待していると、コツコツと窓ガラスを叩かれる音が響く。塔の大きな出窓は空ばかりを映していて、誰もいない。と思いきや、下の方に小さな小さなボクレーがいた。部屋の中に入れてやれば、助けて、助けてと小さな頭の枝を揺らしながら訴えてくる。


『…ドラパルト、お昼寝の時間にごめんなさい。お願いしてもいい?』


ドラパルトも小さな来訪者に気づいており、残りの子供たちを急いで籠に詰め込んでから私の元に飛んできた。


『なにか、あった?』

『近くでこの子の家族が襲われたみたい。キバナ、少し外に出てきてもいい?そんなに時間はかからずに戻ってこれると思うから』

『オレも行っていい?キズくすり、…じゃない方がいいか。回復する木の実、少しは持ってきてる』

『いいけど、もしかしたらバトルするかもしれないよ』

『そんな時こそオレの出番だな!』

『うーん、ちょっと強すぎるかなあ』


ここへ来た時にいつも外しているバンダナを装備し直し、ボクレーを小脇に抱えて意気揚々と屋上に向かうキバナについていく。

いつかのキャンプで見せてもらった外でのバトルは、派手な技がさらにトレーナーの指示で狙いすまされてすごい迫力だった。人同士の対戦だったらいいのかもしれないが、森の中でやろうものなら、ボクレーの家族達みんながびっくりしてしまう。親のオーロットは自然を荒らした人間に怒って蹴とばすこともあるので、程々で止めなければならない。


ボクレーが案内してくれたのは、見張り塔から少し離れたポケモンの巣穴の中だった。鈍く蓄光した石囲いの入り口を通り抜けると、ここいらで見ないキテルグマが数匹陣取っていた。いい所見つけたね、とでも言っているのだろうか、身振り手振りを混ぜて何やら話ながら、すっかり座り込んでいる。いつもここはボクレー達が日の光を避けてのんびり休んでいるところだけれど、今彼らの姿は見られない。


「こりゃあ隣のエリアから出張って来たかね。ダイマックスしてなくて幸運だったが…、下がってな。オレが追い出す」

「だいじょうぶキバナ、これくらいならドラパルトが」

「キテルグマはノーマルタイプも噛んでるから相性悪いんじゃないか?いけるのか」


着地して疑問を口にするや否や、背中を丸めて構えたドラパルトから、今日の昼寝がいやと駄々こねたドラメシヤたち四匹が勢いよく発射される。時間差で衝撃音が聞こえ、野太いキテルグマ達の叫び声。ある程度のダメージを負わせたらしく、あっけなく大きな足音を立てて逃げて行った。ドラメシヤたちは土埃に遊びながら、蛇行しながら母親の元に飛んで帰ってくる。まだまだ大人しくお昼寝はしてくれそうにない。

一連を少し驚いた表情で眺めていたキバナは、空になって煙が上がるドラパルトの頭の穴をしげしげとのぞき込んでいた。


「ふふ、強いでしょう、ドラパルト。いつもこうして私達を守ってくれる」

「弾がいっぱいいるってのは良いもんだな…いや、うん、強いな、一発当たりの威力が野生よりかなり上だ。照準もよく狙えてる。ほかの技も使えるのか?」

「いったん隠れて、後ろから驚かして尻尾で叩いたりするかな。野生だと驚かすだけで逃げてくれることもあるから、お得」

「ゴーストダイブかな。…ドラパルト、やっぱ大分戦い慣れてんな。タイプもけっこう分かってるように見えるし」

「私はなかなか覚えきれないんだけれどね、彼女は頭がいいから。…昔はトレーナーと旅していたみたいだしね」

「だな。オレもバトルしてみたくなったよ」

「そうなの?…ドラパルト、どう?キバナのポケモンと戦ってみたい?」


ほめてほめてとはしゃぐ子供達をようやく頭に詰め込んだドラパルトは、のっそりとキバナの斜め上に陣取り、バンダナ越しにおでこにスンスンスンと嗅ぎついて、荒く大きな鼻息をついてそっぽを向いた。べつにぜんぜん興味ないです、といった感じだ。


「こら、ドラパルト」

「ふは、オレ様デカいから見おろされたの、久しぶり」

「いつも野生のポケモン相手ばかりだから、張り合い、でると思うんだけどなあ」

「まあ、こればっかりはな。いつか気が向いた時にでも、付き合ってくれたら嬉しい」


ようやく足音の余韻も収まって、そういえばずっとキバナに抱えられていたボクレーが嬉しそうに私に飛び移ってきた。すりすりと頭の枝を私の顔に擦り付けてくるので、生えている葉っぱがぴるぴる頬を掠めてくすぐったい。


「そのボクレー、最初っからにすごい懐いてるよな。…ドラパルトみたいに連れて帰ったりとか、しないの?」

「彼は家族がいるから、迷子じゃないから大丈夫。ほら、」


巣穴の横道の奥に、大小さまざまなオーロット達がたくさんの一つ目でこちらを覗いている。ひときわ大樹になった大人の枝には、いつも通りたくさんのボクレー達の葉が揺れていて、キテルグマにひどく追われた訳ではなさそうだった。今日は私だけでなくキバナがいるせいか、それ以上寄ってこようとしない。体力が回復する木の実をいくつか地面に置いて、早々に巣穴からお暇することにした。


「ときどきお茶を飲みに来てくれるから、仲良しではあるの。たまにヤバチャとポットデスのお友達もつれてきてね、たくさんクッキー焼いてみんなでお茶会もしたり。ヨマワル達も覗きに来たりして、ドラメシヤも嬉しがっちゃって、部屋の中がもうもみくちゃ。でもゴーストタイプだから、全然散らからないの。おもしろい」

「…なんつうか、ほんとう絵本の世界だな。…若干怪談ぽいけど」

「今度もしよかったら、お茶会の時に来る?もしよかったら、カブさんも一緒に?」

「オレは来てみたいけど、うん、そうだな。カブさんはやめといた方がいいかな」

「そうね、忙しいもんね」

「そう、…いうことにしとく」


埃っぽい地下に二人合わせてくしゃみをし、太陽の下の晴天の世界に戻る。ドラパルトとフライゴンは好天の空中散歩が楽しいのか、横並びで嬉しそうに遠鳴きを上げながらどんどんと高度を上げていく。一気に木々を飛び越して、なだらかな草原を上から眺められるようになった。

キバナ達はワイルドエリアと呼んでいるらしい、広い広い、ちっぽけな私にも居場所をくれる、大いなる自然の地。はじめてこの地を訪れた時の心持はだいぶおぼろげだけれど、空の広さとそこを流れる風の力強さははっきり覚えている。と、塔に向けて首先を整えたキバナが、何やら遠くの方を眺めている。


。あれ見て」

「ん?煙突から煙が上がってる…エンジンの街、だっけ」

「その向こう。今日天気いいから、結構見える」


ドラパルトの上で伸びあがり、眩しさに目を細める。城砦のようなエンジンの街の背後を注視すると、強い太陽の光で白く濁りながらも、うっすらと違う街のシルエットが見えた。首の長い竜が羽を広げたような、不思議な形の回廊と塔のようなものが立っている。


「手前の煙突がいっぱいあるのがそう、エンジンシティ、カブさんの街な。その向こうに見えてるのが、オレの街」

「すごく大きなお城に見える…キバナ、あんなに遠くから来てくれていたの?」

「フライゴンにとっちゃ大したことないさ。中世の城壁を生かした歴史ある街、ナックルシティ。見張り塔と同い年くらいの建物がいっぱいある、古くて誇り高い街だ」

「たくさん人がいるんだろうなあ…いつも話してくれる、楽しい人たち」

「そうだな、みんな優しいよ。オレもいつも助けられてる。…よかったらを招待したいんだ。オレの街を見てほしい」

「私を?いいのかな。全然街のこと、人のこと、知らない。言葉も不慣れだし」

「フフッ、立派に喋れてるよ。もう誰も文句言わない。勿論、街中はオレが案内する。…ドラメシヤ達には申し訳ないけど、一日留守番してもらってさ。いろいろ連れていきたいところがあるんだ」

「お留守番は大丈夫だと思うけれど。あ、あのキバナのくれた紅茶のお店もある?行ってみたい」

「勿論。じゃあそこからスタートにするかな、上層階にあるから街全体が見下ろせる」


日ごろの想像の答え合わせの機会を突然与えられて、私は大分はしゃいでしまったし、キバナはそんな子供みたいな私にあきれて苦笑しているように見えた。



***



『え?お茶会、今日?今から?』

外も暗くなってそろそろ夕ご飯の支度を、と読んでいた本を閉じたら、オーロットに抱えられてわしわし下から登って来たらしい昼間のボクレーとまたしても窓越しに目が合った。キバナは今日はもう帰っちゃったよと伝えたら、なんでよお、となんとも悲しそうなつぶらな目をされた。

今日の今日で誘うことは流石にできないし、そもそも離れた街に暮らすキバナに伝える手段がない。彼が自分のスマホロトムなる赤い電気ポケモンで方々に連絡を取っているのはよく見るが、何がどうなって遠い相手と喋れるのか、未だに分からない。

すっかりその気だったらしいヤバチャ達もいるので、仕方ないかと窓を大きく開ける。オーロットとその沢山の子供たち、ヤバチャたち。ついでに誘われたらしき、そのへんのヨマワルたち。なんだなんだと呆れているドラパルトにすっかり起きてご機嫌のドラメシヤたち。みんなゴーストタイプだから透けてくれれば詰められるけど、そうでもしないと机の周りが一面むらさき色の大所帯だ。昼間キテルグマ退治で頑張ったドラメシヤ達だけは、早々に元気が切れて籠の中で丸まっていた。だから言ったのに。クッキーが食べられないよ。


いそいで作り置きのクッキーと最近メニューに加わったティーローフ、それとキバナに貰った紅茶を用意する。最近すっかり朝の定番になった紅茶はみんなにも評判が良く、よくせがまれるようになった。ヤバチャが紅茶を啜っては自分の中身と対抗するように混ざってしまうので、その時だけ減りが早いのが心配だけれど、みんなの楽しそうな顔を見ていると、なんとも嬉しい。カップに口の先をちょっぴり付けてうっとり楽しむドラパルトをよく見ているキバナも、こんな気持ちなのかもしれない。静かに賑やかに、お茶会ははじまった。


ボクレーが恥ずかしがりながら、昼間のお礼、と頭の葉っぱを数枚くれた。私と、私のおともだちのキバナへ、ということらしい。次来たら渡しておくねと受け取る。お茶にもなるし、人の熱病等によく効く効果があるから、彼の助けにもなるだろう。私が受け取るなり、オーロットの元へ駆け戻るボクレー。その横でお茶とお菓子をわちゃわちゃ取り合っているボクレーの兄弟たち。渡せてよかったね、と優し気な一つ目を向けているオーロットが二人。

大概成長しても家族一緒にいる彼等の姿に、羨ましくなる時は時々ある。ドラパルトも同じような意味ありげな視線を向けている時があり、そんなときは身を寄せ合って眠るのがいつもの習慣だ。今日はお茶会だからまだ眠らないけれど、ドラパルトのつるりとした触り心地の良い尻尾が背中から首元に回される。そのままちろちろと首筋をくすぐってきて、おかえしに喉元と胸の矢じり模様を指でなぞると、小さな呻き声が漏れて、先に耐えられなかった彼女の負け。


『ドラメシヤ、キバナとすっかり仲良しだね。…街に行って、人と暮らしても、大丈夫かな』


もっと、と催促してくる彼女の瞼をくすぐりながら、ここ最近のキバナとの会話を思い出す。ドラパルトに関して、キバナは珍しく口籠りながら、とても遠回しに、街の人間が悪いことをした所為だ、と伝えてきた。本来なら自分たちが見張って止めなければならなかった、と少しの謝罪すら含んで、ドラメシヤ達の行先を一緒に考えさせてくれ、と言ってきた。ドラパルトとドラメシヤ達と出会えたことは大きな幸せだったし、見知らぬ人が犯した罪というのは正直実感がわかなかった。

ただ、ドラメシヤ達のこの先がずっと気がかりだった。竜の子供は数が他の種族に比べて少なく、その分手間をかけて親に育てられ、強く大きくなって巣立っていくというのは本に書かれて知っていた。そしてそれができる頭数の家族ではないことも、私とドラパルトは理解していた。早い段階で、自分達だけでなく、人間やほかのポケモンの力を借りられないか、長く話し合っていた。最も私の言葉が通じないことで、人の方面はかなり消極的になっていたけれど。


キバナ曰く、自然に帰りたい子たちは、もともと野生のドラメシヤが生息しているらしいげきりんの湖に少しずつ戻す。ただ、ここよりもかなりレベルが高い野生ポケモンが多くいるらしく、相応の強さは必要とのこと。人に慣れた子は街へ。戦うのが嫌いな子は、バトルをせず家族として迎えることを望む人の元へ。ちゃんとお金があって、ごはんも毎日くれるか、など厳しい審査があるらしい。戦ったり作業したりするのが嫌でない子は、人と一緒に暮らしながらもポケジョブというもので自分で働いて生活をすることもできるらしい。さすが、街には考え方も知らないものだらけ。

いまこの塔で暮らしているドラメシヤは、自分と同じ仲間が沢山いるせいか結構好戦的で、お互いにじゃれつきに近いようなバトルをしている子も多い。ただ、私という人間にすっかり慣れてしまっているのか、外の自然にはあまり長居したくない子も多い。となると一匹だけではなくて、何匹か一緒に貰ってもらえて、暮らしてもらえる…そんなことができるのだろうか。ドラゴンは結構お金がかかるというようなこともひっそり聞いたので、難しいのかもしれない。

自分も混ざりたいヤバチャを抑えながら飲んだカップに、新しく紅茶を継ぎ足す。その先では、サマヨールがドラメシヤとドライフルーツを引っ張り合っている。ここに来た時はまだ小さい小さいヨマワルだった。時間が経って、彼の方が先に進化したんだろう。曰く、ドラゴンの見た目をしたポケモンは強い力を持つが、その分成長が遅く進化はだいぶ時間が必要だそうだ。お金の事情もきっとそのあたりから来ているのだろう。

今度また相談してみよう、と思い直してティーローフのかけらをドラパルトと半分こする。キバナも、カブさんも、街である程度の地位があって、いろいろとやることがあると話してくれるのに、沢山の時間をドラパルトとドラメシヤに分けてくれる。それはとても有難く嬉しいことだけれど、たまたま塔で出会った私たちに何故ここまで、と思ったことは一度ではない。


人が全て損得で動くとは勿論思わないが、返せるものが少ない私に、何故ここまでしてくれるのか。いつまで来てくれるのか。いつか来なくなったら、どうしよう。一人と一匹には慣れていたはずなのに。

この部屋は僕ととドラパルト達の家だけど、世界はそれだけじゃない。僕みたいに見張るだけでなく、やがて自由になりなさい、と先生に言われたことを思い出す。みんなでこの塔を出て、外に行く。あるいはキバナ達がいるような、街に。そんな未来は、まだ私には想像できそうにない。





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▼キバナ
必要ないと思いつつも、今まで一度も買ったことのないナックルシティのガイドブックを買ってみた
定番巡りコースを読んでいたらジムトレに驚かれた


現代語も普通の人レベルになってきた、でも読むのは苦手
キバナにカメラを教えて貰ったら、ドラパルト、ドラメシヤ寝相集を作りたい

 

 
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